海外留学助成 中間近況報告

大森 一乃 先生
北海道大学 免疫・代謝内科学教室
2023年度留学助成(2024年 中間近況報告)

【留学先研究機関】
MAYO Clinic Physiology and Biomedical Engineering Endocrinology,
Diabetes and Nutrition Islet Regeneration Laboratory

ミネソタ州都のミネアポリスから車で90分、のどかなRochesterという町に全米でも屈指の規模をもつMayo clinicはあります。いくつもの大規模な医療、実験施設が集中しており、それらが複雑にsky wayやsubway(地上、地下連絡通路)で繋がっています。しかし一歩郊外に出れば自然が豊かな地域であり、週末付近の住宅街を散歩しているとリスやウサギなど様々な野生動物と出会うことができます。アメリカの中でも比較的治安は良く、円安、物価上昇中のアメリカの中でも家賃などの面からみてもかなり生活しやすいのではないかと思われます。

 有名なSt. Mary’s Hospitalのエントランス
有名なSt. Mary’s Hospitalのエントランス

アメリカの冷凍庫アラスカ州に次いでアメリカの冷蔵庫と言われるほどミネソタ州の冬は厳しいと言われており、北海道から来た私も戦々恐々としておりましたが、昨冬は暖冬傾向で最低気温が-30度になったのも1週間程度でした。

環境が変わりはじめての海外生活に不安がたくさんありましたが、アットホームな研究室の皆さんと日本人コミュニティの先輩方にサポート頂き、マイペースにアメリカでの研究生活を送らせて頂いております。

当研究室は主に概日リズムと糖尿病代謝領域の研究を行っており、その研究成果はCell metabolismやJCIなど多くの主要なジャーナルに掲載されていることからも非常に刺激を受けながら日々を過ごしています。毎週のミーティングの他、週に1回約1時間程度Principal Investigator(PI)のAleksey Matveyenko先生と研究について個別にdiscussionできる機会があり、研究の方向性や進捗を細部までご相談できます。Aleksey 先生は非常に気さくでありながら、いつもinnovativeな視点からご助言を下さり、大変励みになっています。

メイヨー日本人会という日本人の研究者やそのご家族のコミュニティもあり、最近はアメリカでの税金に関わる手続きもお手伝いして頂いたり、自家用車の引き継ぎをはじめバーベキューやたこ焼きパーティーなどの催し物も定期的にあり、単身で渡米した私がホームシックにならない環境があったのも大変ありがたかったです。

アメリカでの研究環境は驚きと発見の連続ですが、日本では今まで当たり前だと思っていた生活や仕事(働き方)に関する価値観を客観的に考え直すことができ、日本やアメリカの両方の良さを知ることができたこと、多様な価値観に触れて自分を見つめ直す機会ができたことは人生の中でかけがえのない経験だと思います。

このような貴重な機会を頂きました本鈴木万平財団の関係者の皆様、北海道大学免疫・代謝内科学教室の渥美達也教授、中村昭伸先生をはじめとする同門の先生方、留学を受け入れて下さいましたMayo clinic Department of Physiology and Biomedical EngineeringのAleksey Matveyenko先生と研究室の皆様、研究生活を支えてくれている姉をはじめとする家族に深く御礼を申し上げますと共に、残りの期間もなるべく多くの研究成果をあげられる様に邁進して参りたいと思います。

 ラボのメンバーの皆さんと
ラボのメンバーの皆さんと