平成30年度(第11回)鈴木万平糖尿病国内賞 審査結果

「平成30年度(第11回)鈴木万平糖尿病国内賞」の受賞者が決定しました。

受賞者、推薦者及び受賞理由

個人

受賞者 道口 佐多子 氏
業績 糖尿病診療における療養指導の意義の確立と普及
推薦者 正木 治恵 氏(日本糖尿病教育・看護学会 理事)
受賞理由 病院の糖尿病センター開設時の教育入院システム発足スタッフとしての経験、患者指導の充実と教育入院システム構築・運用経験を生かし、那珂記念クリニックで部門間の意思疎通を改善すべく看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師といった指導スタッフを療養指導部として一元管理すること、散発的になりがちな外来指導へのパスの導入などの成果を上げた。このパスはカード型パスとして考案され、2016年からは日本糖尿病協会の標準的指導ツールとして位置づけられた「糖尿病療養指導カードシステム」として発展した。茨城県糖尿病協会での指導者研修会の経験を生かし、コメディカル研修会の設立に中心的に参画し、その後の茨城県糖尿病療養指導士会の初代会長として就任した。熱意を懸けた研修会は地域指導者のレベルアップおよび認定更新に寄与している。茨城県糖尿病協会の理事、茨城県CDE-L認定委員等を務め、地道な活動を継続して地域の糖尿病療養指導に貢献している。これらの業績は本賞に値する。
受賞者 島 健二 氏
業績
  • 糖尿病対策推進会議に先駆け、徳島県対策推進会議組織の設立(徳島県医師会糖尿病対策班)
  • 自治体と協力した糖尿病に関する啓発運動
  • 糖尿病療養における運動療法の認知と普及、ツールの開発
  • 地域糖尿病療養指導医認定制度、地域糖尿病療養指導士認定制度をはじめとした糖尿病治療、教育に係わる人材育成
  • 糖尿病対策活動の活動結果を自己評価し、継続につなげる
  • 医療過疎地での糖尿病診療
推薦者 谷澤 幸生 氏(日本糖尿病学会 理事)
受賞理由 徳島県医師会糖尿病対策班を立ち上げ、療養指導活動を先導した。糖尿病対策推進会議のめざす活動を全国に先駆けて実施し、その組織を創始した功績は大きい。自治体と協力して糖尿病と療養指導に関する広報・周知につとめ、医療連携構築のために、特に保健師が参入できる連携パスの作成に貢献した。また、運動療法の重要性に着目し、策定に関与した「阿波踊り体操」、「プラス1000歩県民運動推進会」と「歩数記録ダイアリー」は広く県民に認知・活用され、自らもマラソンを実践している。
「糖尿病診療への早期介入マニュアル」作成、講演会、徳島県医師会糖尿病認定医制度の策定、地域糖尿病療養指導士認定事業を開始し、療養指導を推進した。徳島県の僻地診療にも携わるなど、糖尿病療養指導の普及と糖尿病対策で長年自ら活発に活動し、その活動が継続・発展する基盤を作った。これらの業績は本賞に値する。