平成29年度(第10回)鈴木万平糖尿病国内賞 審査結果

「平成29年度(第10回)鈴木万平糖尿病国内賞」の受賞者が決定しました。

受賞者、推薦者及び受賞理由

個人

受賞者 布井 清秀 氏
業績
  • 福岡県糖尿病協会(副称:日本糖尿病協会福岡県支部)の基盤確立及び発展への貢献
  • 「21世紀の日本糖尿病協会のあり方」の取り纏め
  • 地域糖尿病療養指導士制度の基盤確立及び発展への貢献
推薦者 中園 徳斗士 氏(日本糖尿病協会 理事)
受賞理由 昭和62年から日本糖尿病協会福岡県支部の再編に取り組み、現場の意見をもとに種々の提案を行うとともに、県内各所を奔走し友の会を100ヶ所以上に設置するなど現在の福岡県糖尿病協会の基盤を構築した。平成8年の日本糖尿病協会総会・年次集会の地元開催を機に全国アンケートを実施し「21世紀の日本糖尿病協会のあり方」を提言、翌年の国際糖尿病連合で講演された。本報告は日本糖尿病協会の運営指針に取り上げられ組織の発展にも寄与している。平成9年から福岡県筑後地区及び県境を越えた佐賀県に糖尿病療養指導士認定委員会を設立し両地区の地域糖尿病療養指導士制度の礎を確立された。この活動に伴い考案された研修カリキュラムや試験問題は全国に普及している。また資格取得後の研鑽のために交流の場として地域糖尿病療養指導士会を立ち上げた。これらの業績は本賞に値する。
受賞者 米田 昭子 氏
業績 身体の感覚に働きかける看護ケアを通した糖尿病療養支援
推薦者 任 和子 氏(日本糖尿病教育・看護学会 理事)
受賞理由 長年に亘り慢性疾患看護専門看護師として、糖尿病患者が自らの身体をケアすることにより安心かつ安定した療養が継続できることを目的とした「身体の感覚に働きかける看護ケア」を実践するとともに、他の医療職に対する助言・指導活動や院内の倫理的課題への調整活動を行うなど患者の立場に立った療養支援体制を構築してきた。保険上必須の標準研修プログラム策定に際して重要な役割を果たし、併せて糖尿病重症化予防(フットケア)研修の基盤づくりに貢献した。一方、糖尿病療養指導に従事する医療スタッフの教育にも積極的に関与し、「身体の感覚に働きかける看護ケア」は共同開発しているエンボディメントケアのプロトコールのひとつとして位置付けられている。また神奈川県で日本糖尿病療養指導研究会を発足し、理学療法士との協働の重要性も啓発している。これらの業績は本賞に値する。

団体

受賞団体 福岡小児糖尿病サマーキャンプ「ヤングホークス」
業績 福岡小児糖尿病サマーキャンプ「ヤングホークス」の継続・発展
  • 毎年のキャンプ活動の実践
  • キャンプなどを通じての1型糖尿病医療の発展への努力
推薦者 井口 登與志 氏(日本糖尿病学会 理事)
受賞理由 全国組織である東京の「つぼみの会」によるサマーキャンプ開始6年後の昭和44年に本邦2番目の小児糖尿病サマーキャンプとして、熊本の「肥後っ子スマイル」と同時期に発足し、その後48年の長きに亘り毎年開催してきた。この間に本キャンプをモデルとして島根の「大山サマーキャンプ」や大分の「ヤングウイング」などが発足している。開始当初は東京以西の糖尿病児やその保護者が多数参加し出会い語らう場として機能していたが、近年では最長期かつ最多参加児を誇る全国最大規模のサマーキャンプとして福岡県内を中心に活動している。初参加前のこころの準備や日常的な交流等を目的とし、春秋の日帰りハイキングや七夕会などのイベントも開催している。一方、平成20年からは小児科医と内科医の交流の場を設け、18歳以後発症の1型糖尿病患者を支援している。これらの業績は本賞に値する。